ペプチジルアルギニンデイミナーゼPADの機能解析(東京都、老人総合研究所,2005/11/10)


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 研究テーマ:老化制御


ペプチジルアルギニンデイミナーゼPADの機能解析


 蛋白質の修飾は情報伝達、遺伝子発現、細胞分化や老化に深く関与しています。

特に、蛋白質中のアルギニン残基がシトルリン残基に変わるシトルリン化反応
は蛋白質が本来持っているの電荷や高次構造に著しい変化をもたらします。

私たちは、ヒトの皮膚角層や毛嚢にシトルリン化蛋白質が多く存在することを
明らかにしました。

また、表皮の角化に重要なケラチンK1やK10、皮膚の水分保湿に重要なフィラグリンやトリコヒアリンが高度にシトルリン化していることも見つけました。

興味深いことに、高齢者に多い炎症性角化症のひとつである乾癬では、角層にシトルリン化蛋白質がまったく検出されませんでした。

また、アトピー性皮膚炎でも病状の進行程度に応じてシトルリン化蛋白質がなくなっていることもわかってきました。

これは、ケラチンなどの角層を構成する蛋白質のシトルリン化が正常な皮膚の角化に重要な役割を果たしていることを強く示唆しています。

不完全なシトルリン化反応は乾癬やアトピー性皮膚炎の発症原因となるかもしれません。


 蛋白質シトルリン化反応は、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)という酵素により触媒されます。

ヒトでは5種類の異なるアイソフォーム(PAD1, PAD2, PAD3, PAD4/5, PAD6)が存在し、酵素の活性化に高濃度のカルシウムイオンを必要とします。

ラットの表皮では、PAD1, PAD2, PAD3, PAD4が発現していることを突きとめました。

同じ活性をもつ4種類の酵素がどうして表皮で発現しているのか、その生理学的意義については未だ明らかではありません。

本研究では、皮膚におけるシトルリン化蛋白質の生成やPADの活性化機構、ヒト皮膚疾患との因果関係、老化との関係を明らかにしようとしています。

posted by ジョージ at 05:57 | アルギニン

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